西田薬店
心と身体の漢方薬【自律神経|更年期】
人間の身体は、微妙なバランスをとりながら、健康を維持しています。
その微妙なバランスが調整不能に陥ったとき、人は病気になります。たとえば、心身症などでは、ストレスにより自律神経系に混乱が生じて身体症伏があらわれます。
「病は気から」ということばもあるように、昔から、漢方(中医学)では心と身体のバランスの崩れを病気の大きな原因と捉えています。従って、そのような症状のお客様のカウンセリングに応じる場合、心身を調整するという考え方で漢方処方を選びます。
疲れ,疲労倦怠感,慢性疲労
朝からどうも元気が出ない、食欲がない、通勤電車ではいつでも居眠り…。こうした慢性的な疲労を訴える人が多く見られます。
疲労倦怠は過労、栄養不足、精神的ストレスなど様々な要因で起こります。
西洋医学の考えでは疲労はエネルギー源となる糖質、脂質、蛋白質の不足、そして代謝に必要なビタミン類などを消費してしまった為に起こると考えます。したがって疲労を回復させるには不足した栄養等を補給することを行います。このような時一般的には栄養ドリンクやサプリメントで疲労回復をはかりますが、疲れには様々な原因があるため、この方法では一時的に良くても根本的な解決にはなりません。
漢方では、疲れは「気」と「血」の不足及び停滞によって起こると考えます。
「気」は目に見えないエネルギー、「血」は栄養物質と考えてよいでしょう。
したがって不足したものは補い、停滞は流れを円滑にすることにより「元気」を作り出すのです。
消化吸収をつかさどる脾胃(注)の機能が低下し気血(きけつ)が不足すると疲れを訴えるようになります。だから胃腸が弱い人に疲れを感じやすい人が多いのはこの為なのです。
(注)食べたものを受け入れ、消化吸収し、吸収した栄養物を全身に運ぶ働きをするところ。
脾胃の機能低下による疲れは主に次の二つのタイプに分けられます。
1.脾胃気虚タイプ(脾胃の機能低下により「気」が不足して不調を感じるようになったタイプ。不足した状態を「虚」という)
主症状 疲れやすい、元気がない、食欲がない、食事がおいしくない
伴う症状 胃腸が弱く下痢しやすい、朝が弱い、立ちくらみ
よく使われる薬 気を補い胃腸の機能を高める働きがある「補中益気湯」、「六君湯」など
2.気血両虚タイプ(気の不足の状態が進行して全身の栄養状態が悪化したタイプ)
主症状 疲れやすい、元気がない、食欲がない、食事がおいしくない
伴う症状 肌が荒れてつやがない、やせる、貧血
よく使われる薬 気と血の両方を補う「人参養栄湯」、「十全大補湯」など
五月病 【漢方解説|西田薬店】
新入生や新社会人が1ヵ月ぐらい経った5月〜6月頃なると、疲れやすい、やる気が出ないなど肉体的症状、精神的症状を訴える人がいます。こうした症状を一般に「五月病」と呼んでいます。主な症状は疲れやすい、朝起きられない、食欲不振、頭痛、めまい等の肉体的症状とやる気が出ない、気分が落ち込む、不安、焦燥感、不眠などの精神的症状を現します。病院を受診すると「自律神経失調症」とか「うつ病」と診断されるケースもあります。
春は自然界が一斉に活動を開始する時期です。人間の身体も精神も伸びやかになります。ところが環境の変化などのストレスが加わると、自律神経に影響を及ぼし、高揚したエネルギーを調整することができず空回りすることがあります。こうして起こるのがいわゆる五月病です。
漢方ではストレスにより「肝」(※注)という臓器が影響を受けその結果「気」や「血(けつ)」の流れが滞って身体の各所に影響が出てきたものと考えます。したがって漢方薬は「肝」の機能を回復して「気」や「血」の流れを良くして心身のバランスを調整する薬を中心に用います。
(※注 漢方でいう「肝」は現代医学の肝臓より広い概念で精神・自律神経機能も含めた働きをする。)
更年期障害 【漢方解説|西田薬店】
40歳台半ばから50歳前後、閉経を迎える頃を更年期といいます。この頃に卵巣機能の低下に伴ってホルモンバランスが乱れ、イライラ、不安感、うつ状態、めまい、のぼせ、ほてり、多汗、不眠、肩こりなど様々な不快な症状が現れます。これを「更年期障害」と呼んでいます。
更年期障害―漢方の考え方
漢方では女性のからだは七年ごとに変化すると考えます。そしてその変化は「腎」の機能が成熟し、衰えていく過程で起こると考えます。七歳で永久歯が生えてきて、髪の毛がのびてきます。十四歳頃になると月経が始まり、子供を生む準備が整っていきます。二十一歳から二十八歳頃に生命力が盛んになり気力、体力がピークに達します。やがて四十九歳前後になると「腎」の働きが衰えはじめ、月経が不規則になり、閉経を迎えます。
腎の働きが衰え始めると五臓(腎・肝・心・脾・肺)といわれる臓器も衰えたり乱れます、そこへストレスなどの精神的な刺激が加わってさまざまな症状が起こることを、「更年期障害」と考えます。
更年期障害を改善するには「漢方薬」が適しています。つらい症状を改善して充実した人生を送りましょう。
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